かすてらすねお。

見聞録的ななにか。

社会的マイノリティをめぐる「素朴な感想」のマニピュレーションとその危険性

三木那由多『会話を哲学する』(光文社新書、2022) まずコミュニケーションとマニピュレーションの関係を先に紹介。 話し手が発言をおこない、それによって聞き手とのあいだで共有の約束事が形成されるとき、その発言はコミュニケーションをおこなっている…

一人で走って転んだ事件

先日の夜、帰宅中に歩道をまあまあスピードで走っていたとき、路面が予想よりも低まっていて足が早めに接地してしまい、タイミングが崩れて前方に倒れ込むように転んでしまった。 両足は動かないけど意識ははっきりしている。 そばを走っていた自転車がすぐ…

【読書】『トランスジェンダー入門』

SNSでトランスの話題をすることが非常に少なくなった。というのも、近年はトランスへの偏見や誤解に基づく時には悪意すら感じるヘイト言説を目にする機会が非常に増えたからだ。特にトランス女性とシス女性の対立構造を煽るようなものにフォロワーの一部が感…

「戦場のメリークリスマス」を観た

現代でこそ殴ったり蹴ったりするだけでも非常識なことだけど、戦メリの人々にとって身体は傷つけても減らないものだからこそカジュアルに暴行を加えるのだろうね。かれらにとって身体はいくら傷つけてもどうせ治癒するものという前提が共有されているように…

映画『母性』を見た

映画『母性』のネタバレを含みます。注意。 ↓本文↓ 前情報ナシで湊かなえの小説原作とも知らず見たけど、見終わってから母親と娘の名前が思い出せない。 母親が主人公にもかかわらず。娘も重要人物である。 その人物が母親と娘であるという家族役割はよく覚…

映画『すすめの戸締まり』を観た

注意:『すずめの戸締まり』『ちむどんどん』『ジョジョリオン』(ジョジョ第8部)のネタバレあり 今回、何も前情報を入れずに、大学の仲間と観に行った。 あらすじも知らなかったけど予告編くらいは観てもよかったかもしれない。 ネタバレがあったとすると…

親に対立的な子どものトランス当事者はどういう心理なのか

というものを最近考えるようになっています。 親は子の味方になりたくて熱心に勉強しているけれど、子から見た関係性は良好ではないというケースがあります。特定につながらないように観測事例は詳しく書かないけど、そういうのを一組知っているのです。まあ…

俳句を自己添削する「風死して……」

今回は、今年の八月に地方新聞に投稿した句(不採用)を自己添削します。 「風死して」は夏の季語。日中の三方原のじりじりとした暑さを表現しています。まだ何も植えられていない畑の作りたての真っすぐな畝(うね)が横に何本も並んでいて、それが奥から手…

近藤氏のディズニー問い合わせの所感

今日はmarkdownでドキュメント風に書いてみます。 近藤顕彦氏の「お知らせ」が話題になっています。 近藤氏は初音ミクと結婚したことでTwitter上では有名な人です。 自宅の写真には、大小さまざまなミクのぬいぐるみや、通称「大きなミクさん」と呼ばれる等…

『同志少女』ネタバレ感想:リュドミラへの質問シーンについて

読み終えた『同志少女よ、敵を撃て』を母上に貸してるので記憶を頼りに書くんですが、大体こういった内容でセラフィマがリュドミラに尋ねましたよね。そんで、それはセラフィマが初めて猟銃で生き物を撃った時の心境と同じだと返される。セラフィマは309人を…

『のび太の宇宙小戦争2021』感想

ネタバレ注意。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 「大統領」という単語に、どうしてもウクライナ情勢が頭をよぎった。公開延期は意図せざるとしてもタイミングが絶妙で、今でしか味わえない感慨があった。 旧作映画を見慣れていると「映画は原作に沿って作られるものだ」という…

建前の餅投げのタイミングに地域差がある理由を建築士の父に聞いても分からなかった

分からないことが分かった、という内容です。 父は建築士で、小さい頃は建前があると連れて行かれて、餅拾いに参加させてくれたものです。建前(たてまえ)というのは棟上げ(むねあげ)とも言い、棟木(むなぎ)を上げるタイミングを指します。建築業界では…

就活体験談

ツイッターで大学の後輩たちが就活で大変そうにしているのを見て、そういえば何も記録らしい記録を残していなかったので、筆をとることにしました。とはいえ、何をしたのかだけを書いても何の参考にもならない気がします。やはりその中で何を考えていたのか…

短編映画『片袖の魚』感想(ネタバレ有)

10/3(日)、浜松シネマイーラで短編映画『片袖の魚』を観ました。ネタバレ注意。 あらすじ 「トランスジェンダー女性の新谷ひかり(イシヅカユウ)は、ときに周囲の人々とのあいだに言いようのない壁を感じながらも、友人で同じくトランスジェンダー女性の千…

DiaGoの性の多様性への認識の甘さ、想定内の炎上

自称メンタリストのDaiGoさんが炎上している話、実はあんまり驚いてません。というのも2、3週間ほど前に知り合いから「こんな動画があるんだけど」と別の動画を教えてもらって、それを観て「いずれなんかのトピックで大失言をやらかすだろうな」と思ってた…

広瀬康穂が定助に電話する意味とは(ネタバレ注意)

『ジョジョリオン』(第8部)特に最新刊(第26巻)のネタバレ注意。 単なる気付きを書き留めておくのが目的のメモです。 ↓↓↓ ラスボスらしき明負透龍とのバトルがクライマックスを迎えています。ラスト数ページで「え?終わる???」って焦っちゃいました…

三方原の浜松乗馬クラブで乗馬を初体験した

三方原の「浜松乗馬クラブ(HAS)」で45分乗馬体験してきました。遡ることゴールデンウィーク(ウマではない)の時、浜松駅前でポニーに触れる展示をしていて、1名単位で乗馬体験に招待しているというので、好奇心のおもむくまま参加を希望し、日程を決め、今…

小3で宝島を弾いた思い出

本当は宝島を弾くつもりじゃなかったんだけどな。 好きなグループを作って好きな楽器で好きな曲を演奏してもいいクラス発表会を音楽の授業でやることになったんだけど、そういう時にさっと組める相手の居ない自分は当然一人になった。 かといって不安だった…

『推し、燃ゆ』解説・感想(ネタバレ有) 

解説パート 主人公の高校生・下山あかりの「推し」であるアイドル・上野真幸(まさき)が炎上するところから物語が始まり、炎上した「推し」の芸能活動の動向に、彼を推すあかりは翻弄されていく。大体こんなあらすじです。 この物語はあかりの視点だけで展…

スカート男子生徒のニュースがジェンダーに切り込んでいて鋭い

制服を自由に選択できる広島県にある加計高校で、スカートを履く男子生徒を取材したNHKニュース記事があります。まだ読んでいない方は先に読んでみてください。 学校制服の選択肢が増えたというニュースを最近よく見かけるようになりましたけど、この記事は…

ウマ娘をきっかけにベンヤミン(の解説)を読み始めた

ウマ娘がきっかけで、多木浩二の『ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読』を読んでいます。 ウマ娘ってどうして面白いんだろうって考えたとき、まず、1回として同じ育成体験がほぼ存在しないことに気付くことができます。 たとえ初期パラメータが同じ…

遠鉄定期券の名前を通称名にしてもらった

浜松唯一の私鉄「遠州鉄道」の乗車カード「ナイスパス」の定期券を買う時に、そこに載せる名前を通称名に変更してもらったので、記録します。 自分は将来的に戸籍名を変更したくて、社会生活上で通称名に修正できるところは変えようとしています。ナイスパス…

社内メールに良い反応をもらった

先日書いた会社のビジネスネームの話の後日談です。 件のメールを打った後、2人の社員から嬉しい反応がありました。 1人は別の部署の上の世代の先輩でした。メールにはラフかつシンプルに「良かったですね!」と喜ばれていて、関心を持ってくださっているん…

評価Aのゴルシが育成できたのでコツを書く

初めて育成で評価A出たので、記録します。 お前が一番だよ! ■------ 自分が推測する評価Aにする上で重視するもの・ステータス合計値・スキルのレア度と数・クラシック3冠、春シニア三冠、秋シニア3冠など重賞タイトル獲得 ■------ 基本的な情報■-- 育成ウマ…

新卒2年目に合わせて社システム上の名前が修正された

新卒2年目を迎えました。タイトルの出来事について書きたいのですが、経緯が少々複雑です。 まずはビジネスネーム使用の来歴について。 自分の通称名をビジネスネームとして使用させてもらえることになったのは昨年入社した時で、戸籍名の将来的な変更を見…

他者の権利を主張する権利もあるんじゃないのか

あの馬権のツイートに対して「馬は法律上はモノとして扱われる(=だから権利を持たない、そんな権利は無い)」と言っているリプライ見て思ったんだけど、権利って法的に保護されていようといまいと関係なく主張するものなんじゃないのか。 そうでないと公民…

🐴 ウ マ サ プ ラ イ 🐴

ウマサプライは絵にウマが描かれている王国カードでサプライを組む遊び方です。 ウマ娘のアニメを観ていたら思いつきました。 全体で45種類、山札になるのは27種類。 騎士は5種類だけ用います。 よく確認したつもりですが、ロバとウシとウマを見間違えてい…

Harbinger/前駆者の日本語訳は「先駆者」でなくてもよさそうだ

最近、マニア心で、英語版ドミニオンのカード名を覚えようとしています。すると、時どき「なんでこんな日本語訳にしたんだろう?」と思うようなものに出会ったりもします。 そういう疑問に自分で答えていこうという趣旨で、前回は拡張の「移動動物園」と収穫…

ドミニオン拡張の移動動物園は移動動物園ではないかもしれない

有名なボードゲーム「ドミニオン」の第13弾拡張版に「移動動物園」という作品があり、元々の英語名は”Menagerie”だそうです。「メナジェリー」と読みますが、ちょっと聞き慣れませんよね。同じ名前のアクションカードが第5段拡張版「収穫祭」にも収録されて…

2020年まとめ

9年の大学生活が終わった 東日本大震災の直後に入学して、コロナがヤバくなる直前に卒業した。 地元で就職した 学生最終年に半年休学してプログラミングのアルバイトをしていた会社に就職した。 仕事楽しい 好きな Web系の技術で ウェブサービスのフロント…