かすてらすねお。

見聞録的ななにか。

2016-12-21(水) 秩序理論の系譜について

9時30分に起きて30分で身支度と朝食を済ませて10時40分には大学に着いて院ゼミに参加した。『「恋愛学」講義』の代表的な恋愛研究について、スタインバーグの「愛の三角理論」モデルを中心に、友人、家族、恋人などに見られる愛の類型がどのようなものであるかについて議論していった。

昼過ぎからは粛々と『社会学』の読書を進めていった。社会秩序形成のあり方をめぐって、4つの秩序像が提出されてきた。

  • 権力による支配(批判理論、コンフリクト理論)
  • 利害の一致による合意(合理的選択理論、交換理論、ゲーム理論
  • 価値の共有による合意(社会システム論、構造―機能分析)
  • 言語的コミュニケーション行為による合意(意味学派、ハーバマス的公共圏)

これらは、実証主義/理念主義、方法論的集団主義個人主義の2軸が作る4象限に分けて整理することが可能である。

個人的に整理しておきたいのでハーバマスの秩序像を列挙する。

  • 現象学などの「意味学派」的な秩序像 = 社会秩序の共同主観性を強調し、社会秩序を行為者の意味付けの行為が結晶化した網の目とみるもの。 → その比喩みたいな表現をやめろ。ジンメルの糸の喩えもそうだけど、逆にわかりにくくないか? 実体なんかなくてもいいからピンとくる表現がないものか・・・?
  • ハーバマスの合意と秩序形成の説明 = 「意味学派」的な秩序像の、批判的な再構成。 = コミュニケーションや意味の構成作用による秩序形成に注目するアイデアは、意味学派のそれとは変わらない(はず)。 → いったいどこを「批判的」に「再構成」したのだろう・・・?
  • パーソンズと対比した時のハーバマスの特徴 = 価値や規範を所与のものとして扱わず、言語的コミュニケーションを通じた相互了解のメカニズムに依拠して価値や規範の生成を説明しようとしたこと。

この辺はゼミで議論のしどころになるだろう。

そのあとはホッブズ的秩序問題を功利主義的な公準として表現してそのうち「目的相互のランダム性」はNOとする態度をパーソンズ的秩序問題と表現しながらその考え方を説明し、パーソンズの言うところの価値と規範による秩序が、ノットランダムで安定化した、規則的な秩序の存在を生み出しているんだ、という問題意識を描いていった。

メタメタにされてる一方で功利主義側も頑張っているらしい。合理的選択理論の発想ゆえの弱点は、行為者間のコミュニケーションを想定していないことにあると思う。それゆえ、他者関連的な個人行為レベルの「合理性」について、モデル内在的に説明を付けてやる必要があるわけだ。

社会秩序の、マクロレベルでいえば社会的望ましさと、ミクロレベルでいえば合理性の両方について、デュルケム以来明かされていった「規範」「社会的連帯」「社会的凝集性」などといった社会学的変数を組み込んでいくためのモデルはどうあるべきか。これが社会学の理論的課題となってくる。

というところまで読んだ。このあとはオルソンのフリーライダー問題が続いていく。

 

なんつーか、公共圏論でさんざんハーバマスの熟議型民主主義がーとか考えてたんだけど、ハーバマスが社会秩序理論の最前線ってことでよかったんだろうか。中澤先生も短い時間でハーバーマスアレントの議論に絞って解説をするだけでも大変だろうけど、学生からすると、もっとピンとくる見取り図として、今学んだような秩序形成理論の系譜を抑えておくことも大事じゃないかな、と思った。いや、それはほんと中澤先生も言うように、この学科はなかなかそういう授業やらないのも問題の一端にあるのだけど。学部時代の記憶がそれこそ批判的に再構成されたな、という感覚があったので、それは前進だったんだろう。

 

6時30分くらいから研究室でチョコフォンデュパーティーしました~。

バナナ、ドーナツ、マシュマロ、切り餅、和菓子類、ビスケット、野菜スティックとかをつけて食べた。

9時半くらいに撤収してそのまま帰った。

 

2016-12-21(水)おわり。