かすてらすねお。

見聞録的ななにか。

レズビアン-トランス女性はいかに性別集団から孤立するか?

 この記事では、性指向と性自認の双方の問題を抱える人間に固有の問題として、性別集団とのかかわりについて書きます。ただし、自分の経験しか書けないので、他の当事者の経験を知って内容を検証したいです。よろしければ、記事へのコメントや筆者のアスクエフエムツイなどなんでもいいので証言お待ちしております。

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 筆者は男性として生まれ、女性として生きているトランス女性であり、女性を性愛の対象とする女性同性愛者である。特に固有の用語があるわけではないが、収まりがいいので「レズビアン-トランス女性」と呼んでおこう。このような筆者は、常に行動を共にする友人関係を作るなら男友達よりも女友達の方が選好として良いと考えている。それは女性が恋愛対象だからではなく、女性のコミュニティに居るという事実が、自身の持つ女性としての帰属意識を強化・維持するからである。つまり、女子「と」居るのではなく、女子「で」居ることが重要なのだと言える。

 この一連のことを自覚するまで、学部生時代の筆者の脳内では、いかなる性別の集団に属したり行動したりするかということと、自らがいかなる性別であるかということが、無根拠に、心理的に短絡していた。すると、自らが男ではないという意識が自らを男子集団から遠ざけることになった。だからといって、女子集団に加わることもままらなかった。性指向と性自認の区別が出来ていなかった自分にとって、性愛の対象である女性のコミュニティに参加することと、自らの中にある同性愛感情との折り合いをつけるのは難しすぎたのだ。結果として、自分は男子集団にも女子集団にも属せずに孤立していた。これは性指向と性自認の問題を抱えるからこそ起きた問題だったと振り返る。

 以上はレズビアン-トランス女性としての認識を述べたが、男女を非対称的なカテゴリとみなす筆者にとって*1、性別をひっくり返したゲイ-トランス男性が全く同様の状況になるとは考えにくい。こちらの証言も聞いてみたい。

*1:酸とアルカリが真逆の性質を持ってると言ってるようなもん