かすてらすねお。

見聞録的ななにか。

2019-01-01から1年間の記事一覧

「多様な性」としての「LGBT」「SOGI」検討

論文用に書いていた文章が使えなくなったので、供養します。 インターネット利用が身近である今、我々は多様な性のあり方についての知識にアクセスしやすい環境となった。セクシュアルマイノリティの当事者団体が発信する情報はもちろん、SNSでは当事者が自…

「情強」の条件

今のネットは(便利な枕詞)他人の嘘や虚構をとことん暴く方向性に突き進んでいってると思うんですが、その渦中の人びとはどこか、リアルタイムに何が嘘で何が事実を知らなければ「情弱」(=情報弱者)になってしまうような強迫観念に駆られているように見…

「女性」「男性」という日本語はいつ登場したのか

文化人類学者の小田亮(1996)の研究によれば、かつての日本において現代でいう性的な事柄を表現するために用いられていたのは「色」や「淫」といった言葉であった。一方、「性」という言葉は「さが」「しょう」などの読みにみられるように生まれつきや本質…

男THE飯「浜松うなぎ天丼」の経過観察と意見感想

全般的な情報が把握しやすいといいかなと思って個人用のメモをまとめてシェアしようと考えました。 「男THE飯」と浜松市の関係 2018年12月:浜松市がLDHグループの株式会社dancearthと「ダンス教育&エンタテインメントによる地方創生に関する連携協定」を締…

「異常な男子」から「正常な女装男子」へ

ツイッターのアクティビティ欄ごしに流れてきたツイートを見て、「女装SNSコンテスト」というものがあることを知った。 女装SNSコンテストに意気揚々と参加した女ホルバカ食い自称MtFさん達が順位アホほど低かったり汚物貼るなってぶっ叩かれたりされて「や…

つづ井さんの処方箋

» つづ井さんは寝た子を起こしてしまったかもしれない ──地獄は地獄のままでありつづけるという話 - on my own http://525600.hatenablog.jp/entry/2019/09/12/221015 (引用) 自分で自分を否定する日々から脱したところで、そこはともすれば、元いた地獄と…

凍結アカからのサルベージ:政治的な正しさ

凍結アカウント(@suneo3476Doc)から自己引用してくるのがかなり面倒くさいので、トピックごとにサルベージする記事を作っていくことにしました。 2019年6月8日の連続ツイート 「言っていることはもっともだけど、もう少し言い方を改めたほうがいいのでは(…

島根県議の発言について

ツイッターでこういうツイートが回ってきました。 島根県議「LGBT?女湯に男根ぶら下げた人とかダメだろ」団体「多様性!謝罪しろ!」県議「心と体の性が一致する人にも配慮しなきゃいけないという趣旨だ。意見を変える気も謝る気もない」当たり前のことを当…

性的指向にかかわる社会的困難とパートナーシップ制度

ツイッターに性的指向にかかわる社会的困難とパートナーシップ制度について書いてたらまとまった量になったので転載します。(@suneo2ten0) https://twitter.com/suneo2ten0 ▼過去日本において婚姻制度は必ずしも異性愛者たちに受け入れられてきたわけではな…

豪雨だったので『天気の子』を観ました

だって書くしかないでしょう。 会社帰りに駅前のユニクロで半年ぶりの服の買い物と人生初のスガキヤに満足して外に出てみたら見事などしゃ降りで「こりゃ帰れんわ」 となったので、同じ建物のTOHOシネマズで時間を潰すことに決定したという流れです。そうい…

(追記あり)【署名のお願い】静岡西部地区新大学の新名称有力候補「浜松医科工科大学」に情報学部からNOを出そう

【署名お願いします!・シェアコピペ歓迎です!】静岡大学浜松キャンパスと浜松医科大学の統合名「浜松医科工科大学」を凍結し、学生の意見の反映を! Change.org http://bit.ly/2LhZjSK 静大浜キャンと浜松医科大の統合後の新名称として「浜松医科工科大学…

トランプ「ナポレオン」のルール(書きかけ)

他人に教える用で書きます。 初めて覚えたのがこのルールのため、ローカルルールの有無があるかもしれませんが、自分の知っているものをここでは書きます。 必要なもの ・プレイヤー5人・トランプ(ジョーカー抜き52枚) ゲームの概要 プレイヤー5人が「…

静大「大学再編を考えるシンポジウム」自分用記録 #静大再編シンポジウム

2019年(令和元) 6月22日 18:00~20:00 「大学再編を考えるシンポジウム」東部静岡キャンパスがメイン会場で、西部浜松キャンパスはS-Port3階大会議室でSkype中継会場。 教員……情報学部長、工学部長、会場セッティングした工学部教員の3名職員……技術職員が2…

珈琲研 ハンドドリップ講習会 座学テキスト

随時更新します。 ソースは自分(に色々教えてくださった人達) 0.もくじ 1.豆の準備 1−a 焙煎1−b 挽き(ひ-き) 2.ハンドドリップ 2−a 概要2−b 他の抽出方式2−c ハンドドリップに何を求めるのか 3.淹れる準備と器具 3−a フィルターとド…

オレオレ倫理

ツイッターで何か言おうとしたけど、具体的な誰かのことを思い出して、あの人は嫌な思いをするかもしれないと想像して、ツイートをひっこめる。こうした想像と実践のことを、かりに倫理と配慮と呼んでみよう、そう考えるようになった。 大学用アカウントには…

DominoとVirtualMIDISynthでSoundFontを鳴らそう

DTM

※サウンドフォント導入方法について訂正あり(2019-03-17) 個人的にDTM作曲を教えることになったので,環境構築について書きます。 今回は Domino と VirtualMIDISynth を導入します。 [1/3] Dominoが音を鳴らす仕組み Dominoで譜面を作成して再生するとき…

【映画】『カメラを止めるな!』上映当時の感想

金曜ロードショーで『カメ止め』が放映されました。 以前SNS上に感想を書いていたのを思い出したのでそのままブログにも載せます。これは2018年10月に『カメ止め』を浜松で観た後にFacebookで投稿した文章の転載です。 (転載本文) 『カメラを止めるな!』…

【読書】三田誠広『日本仏教は謎だらけ』

就活の移動中に三田誠広『日本仏教は謎だらけ』を読み切りました。普段から学術的な文献に触れることが多い自分としては,とても平易な文体で一般向けを意識して書かれているように感じます。著者プロフィールを見ると芥川賞作家で文学部教授とあり,論文検…

【続続・感想】『不可ぼく』哲と百雲の関係

この記事は,『不可ぼく』続・感想記事の直接の続きで,3つ目の感想記事です。 繰り返しになりますが,粉山カタ先生の『不可解なぼくのすべてを』という漫画があります。pixivコミックまたはCOMIC MeDu(こみっくめづ)で連載中で,一部無料公開されているの…

【続・感想】『不可ぼく』第1巻を構成する2つのテーマ

この記事は,ひとつ前に書いた『不可ぼく』第1巻の感想記事の続きです。続きと言いましても連続で書いているだけであって内容に順序はございませんので,どちらから読んでいただいても結構です。ただし,第1巻を読んだ前提で書くのは一緒です。 それでは繰…

【感想】粉山カタ『不可解なぼくのすべてを』第1巻

粉山カタ先生の『不可解なぼくのすべてを』という漫画があります。pixivコミックで連載中で,1話・2話と最新話が無料公開されているので,ぜひご覧になってみてください。この記事では,単行本1巻の内容を知っているという前提で話を進めます。

石井由香里『トランスジェンダーと現代社会』(明石書店, 2017)

http://www.akashi.co.jp/book/b357457.html 年越しは一冊何か読もうと思って読んだ。筆者によれば、近代においてアイデンティティの源泉であった性は、流動化している現代の自己像においてその機能を喪失している。多様性を志向する社会運動において、当事…