- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/18
- メディア: 新書
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内容と感想
生物学者のDNAにまつわる研究の功績を謎解きのように紹介しているので、SFや推理小説が好きな人がじっくり読むには向いている。生物学の素人でも読みやすいように最低限の用語と説明の心がけが感じられた(が、ボクは途中でポイして飛ばし読みした)。
大まかな筋書きはこう。「生命とは自己複製を行うシステムである」、この生命の定義に従うならば、ウイルスやDNAは生命である。筆者はこれを確かめるために、一部の生命機能を取り除いたマウス実験を行うが、マウスはピンピンしていた。一体どういうことだ!――みたいな感じ。
全体が前書きと15章の構成で、手っ取り早く序と結論を読むなら前書きと14,15章だけでいい。その中で出てくる諸用語や研究の詳細が1章から13章までに入っている。物語のキーワードを散りばめながら結末に収束していく構成から、それゆえ推理小説っぽさが感じ取れた。
筆者が推測する生物のシステムについての考察は、そのまま生物のように振る舞う人工知能プログラミングに応用できるんじゃないかな、と思ったけど、ボクにそんな技術は無かったし、それこそ専門の人が読めば何かひらめきを与えられそうな考察だと思った(と言いつつも、将来専攻分野に関わらないとは限らないもしれないけれど)。