かすてらすねお。

見聞録的ななにか。

備忘録:制限コードと精密コードの何が「制限」で「精密」なのか

バーンスティンの制限コード(restricted code)と精密コード(elaborate code)の何が「制限」で「精密」なのか、『社会学』(長谷川公一ら共著、2007)の第5章を読んでいても理解できず、担当したゼミの子も悩んでいたので、バーンスティンによる定義を調べると明瞭な解説を発見したので紹介したい。

 

吉田直哉『B.バーンスティンの「教育コード」理論の形成過程――1970年前後の転回に着目して――』(東京大学大学院教育学研究科 基礎教育学研究室 研究室紀要 第38号:p.53、2012年6月)
http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/52681/1/3806.pdf

精密コードは、主観的な意思を精密な言語で表現することを促すのに対し、限定コードは、そのような主観的な意思を言語で明瞭に表現することを制限する(Bernstein [1971:76f.=1981:108])。言い換えれば、精密コードは、ことばに明示した形で意思を表現する傾向を促進するものである。そして、そのような言語による明示を抑制するのが限定コードだと言えるだろう。