今日は「コラボレーション・パターン(Collaboration Patterns)」を紹介したいです。紹介といってもおおまかな解説はGIGAZINE様の記事で大まかに把握できると思います。
チームでのプロジェクトを成功させる秘訣34項目「コラボレーション・パターン」 - GIGAZINE
コラボレーション・パターン―創発的コラボレーションのためのパターン・ランゲージ
で、ボクからなのですが、これは何かと言いますと、これからのグループワークの大きな武器です。それも、個人レベルから噛みしめて活用できる武器です。しかし、どんなに素晴らしい武器でも扱い方を心得ていなければ無用の長物です。というわけで本題は、この「コラボレーション・パターン」の使い方、ひいては「パターン・ランゲージ」の使い方です。
この「コラボレーション・パターン」は、いきなり実践に使うのはおすすめできません。まず自分を振り返る道具として使ってみて下さい。
たとえば、「成長のスパイラル」(No.4)を見てください。
「まず、メンバーとともにプロジェクトに取り組んでいる」という現状があり、「その状況において」、「現段階でメンバーができることを基準にプロジェクトを進めてしまうと、チームで取り組むことの魅力が失われてしまう。」という忠告が入ります。ここでボクは「ぐさっ」とくるわけです。ボクはプロジェクトの経験がメンバーの成長を保障するかどうか疑問に感じていたからで、まずここに共感するわけです。「そこで」、「他のメンバーのがんばりや成長から刺激を受けたり、自分から刺激を与えたりして、お互いに高め合いながらプロジェクトを進める。」と書いてあり、なるほどこれは自分でもできるんじゃないか!?となってくる。「その結果」、「お互いのがんばりに触発されて、チーム内に成長の上昇気流が生まれる。また、プロジェクトが進むにつれてメンバーにできることが増えていき、プロジェクトの勢いが加速することになる。さらに、プロジェクトの他のメンバーを尊敬し合うことにつながり、成長の面でも一体感を感じることができる。」なり、ボクは現実という言葉に引っ張られていたのだな、と今までのグループワークを振り返りながら反省をする。未来は大体分かっている気分でいたけれど、それは自分に変えていく気が無かったから見える未来なのだなと気づくのです。
これでこのパターンはその役目を果たしました。なぜなら、ボクがこのパターンを読み進めていく過程で、自然とふり返りと反省がなされたからです。つまり、これらの「パターン」は、人間によって読まれ、自分あるいは他の誰かに向けて語られる時にこそはじめて「ランゲージ」となるのです。一つひとつのパターンはある程度の抽象性を持っていながら、なにかしらのプロジェクトに参加した経験のある人になら誰でも分かるような内容でもあります。だからこそ、誰にでも利用できる「パターン」なのだとボクは理解しています。
しかも、この「パターン」は、他のパターンと併用することで、より自分のプロジェクト上の失敗・成功についての構造的かつ本質的な思考が可能になります。それによってあなたの語る経験の「ランゲージ」は重みを増して、人にとても深い印象を与えるでしょう。
少し遠まわしになりましたが、この「パターン・ランゲージ」の使い方は次の通りです。
1.ひと通り読んでみて、自分の思い当たるパターンを探してチェックを入れてみる
2.それぞれ自分の体験と照らしあわせながら自分に語ってみる
3.自分の成功・失敗の「語り」がまとまってきたら、今あなたが参加しているプロジェクトのメンバーに試しに話してみて、相手に「パターン・ランゲージ」を教えてあげよう!
この「コラボレーション・パターン」を作った慶応SFCの井庭研究室では、過去にも学習とプレゼンテーションの素晴らしいパターン・ランゲージを作って公開しています。参考までにどうぞ。
「プレゼンテーション・パターン(Presentation Patterns)」