ツイッターに性的指向にかかわる社会的困難とパートナーシップ制度について書いてたらまとまった量になったので転載します。
(@suneo2ten0) https://twitter.com/suneo2ten0
▼過去日本において婚姻制度は必ずしも異性愛者たちに受け入れられてきたわけではなく、例えば、夫婦別姓の実践や家制度に反発する「主義としての事実婚」は一種の運動として展開されてきた歴史がある。
▼婚姻制度のあり方について考える場合「婚姻制度に乗りたくても乗れない人達」のみならず、こうした「婚姻制度に乗りたくない人達」も含めて検討するのが妥当に思う。
タイムリーな例だと千葉市が今年1月に始めたパートナーシップ制度は同性・異性を問わず利用できる。
https://www.city.chiba.jp/shimin/seikatsubunka/danjo/partnership.html
▼この千葉方式は新しくて、それまでの19市区のパートナーシップ制度は同性同士であること、あるいは、一方または双方が性的マイノリティであることを要件としていた。浜松市の意見交換会では異性間でも使えるようにという市民の声が多かったので、千葉方式になる可能性はありそう。
▼パートナーシップ制度には同性同士のパートナーシップを「男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備える」「ニ者間の社会生活関係」(渋谷区より)として公認することや同性愛者の存在そのものの公認、何らかの事情で法律的な結婚をしない・できないカップルのパートナーシップを公認する意義がある。
▼パートナーシップ公認のもたらす効果として、当事者らの関係を制度的に根拠づけ、公的な施設や制度(公営住宅や医療機関等)、地域や民間サービス(住宅賃貸、保険、割引等)での差別的待遇を防ぐことが来たいされる。また、正当な関係であるというエビデンスとしてカミングアウトの後押しになる。
▼何より当事者視点では存在の公認により安心感が生じる。
性的指向性は誰でも関係するにもかかわらず、現実に特定のあり方は「いない」とされ、正当な恋愛とも認識されず、からかいやいじめの対象になってきた。結果として当事者は表に出にくく、身近にロールモデルを見つけにくい環境ができる。
▼このような環境で性的指向に関する当事者が最初に経験する困難は、自身がマイノリティであることを受容すること、自分自身を肯定すること、「自分へのカミングアウト」であると言える。その次に家族・友人・学校・職場・社会などに受け入れてもらうことの困難(無理解、差別)が待っている。
▼数年前に浜松のLGBT団体「にじいろ安場」(@annbainfo)の活動を知って、当事者の方々とたまに交流したりしていると、特に変わったところなんて無いのに、どうしてこの人達が人並みに生きていくことが許されないんだろうという疑問が湧く。
HP・ブログ
https://9444797008.amebaownd.com/
https://blog.goo.ne.jp/annba_annba_369
▼そうした当事者を前に、たとえば同性婚が同性愛者を増やして少子化を進めるとか(性的指向の基本的認識が誤っている)、渋谷はパートナー解消した例がいくつかあるとか(離婚=不幸という認識は妥当か?)、養子になった子供は不幸だとか(自分の子供に聞いてみよう)語るのは人倫に反していると思う。
▼上の例示は全て報告会で出た「慎重意見」で、会場には大体20人くらいの当事者が会場の約60人のうち大体20人くらいの当事者が参加していたと思うけど「何の罰ゲームだろう」と思って聞いていた。ある当事者が発言した一番印象に残っている言葉に「浅はかな認識が一番傷つくんです」というのがあって、これには深く頷くしかなかった。
▼性的マイノリティのパートナーを持つ当事者が性的マイノリティの当事者やそのパートナーが人並みに生きていくことのできる社会作りの一歩としてパートナーシップ制度づくり、同性婚の法制化を強く望む。
※訂正を入れています。