かすてらすねお。(hateblo)

見聞録的ななにか。

第19回 静大祭 in浜松 テーマソング制作にあたって考えたこと

 うちの大学祭(静大祭in浜松)の実行委員会が、今年のテーマソングを募集するというので、これほど自己顕示欲を満たせる機会は無いと、奮って制作・応募しました。この記事では、テーマソングを作るにあたって考えたことを書き残します。

 ちなみに、テーマソング採用曲ならびに応募曲の計4曲が、浜松静大祭実行委員会(大祭委員)さんの公式サイト(下リンク)で視聴可能です。

第19回静大祭in浜松 | 静大祭in浜松のテーマソングが決定しました!

 

テーマソングはユニバーサルを指向する

 毎年秋季に静岡大学の浜松キャンパスで行われる大学祭は、学生組織(大祭委員)が運営主体の「静大祭in浜松」と、大学当局が運営主体の「テクノフェスタ」が同キャンパス内で同時開催されるのが特徴です。同じキャンパス内で行われているイベントでも、管轄が学生組織と教職員組織のどちらかになるわけです。ともかく、浜松市域の大きなイベントのひとつで、毎年多くの一般参加者が来場します。近隣の小中高大生、親子家族連れが学生数と同じくらい来ているように見えます。このように様々な人びと*1が参加することを考慮して、テーマソングを作る必要があると考えました。

 たとえば、タイトル名を英語にすると英語の読めない子どもには不親切ですし、まず覚えてもらえないでしょう*2。筆者が応募した曲タイトルは『グリーフ・ワーク』という一般的に聞き慣れないカタカナ語で、こちらも幾分不親切であると自覚していますが、適切な日本語化に挫折して妥協した形です。

 また、弊キャンパスには非日本語圏からの留学生が学ぶ環境であるため、例えば日本語歌詞をつければ日本語ネイティブの学生は親しみやすいですが、留学生にとって何らかの心理的バリアになるのではないかと危惧し、歌詞はつけませんでした。もちろん圧倒的多数派は日本語話者ですが、マジョリティだからこそ考慮すべき点はあると考えます。そういった意味で、インストゥルメンタル(非声楽曲)にしました。

 これらの価値観を採用する自分にとって、テーマソングはユニバーサル universal を指向するものと言えます。

論文『グリーフワーク』

 習慣的に、曲タイトルには曲に込めた意味を表す一言をつけます。『グリーフ・ワーク』は、「グリーフ・ワーク」というテーマで書かれた論文と言ってもよいでしょう。ここでの「グリーフ・ワーク」とは、「悲しみから精神的に立ち直っていく道程」(コトバンク)を指しています。「悲しみ」とは、大学祭という〈非日常〉の場が、学生生活という〈日常〉の場へと、猶予なく移行させられる状況への嘆きです。本学では大学祭の前日が休講ですが、翌日は休講ではありません。機械的に切り替えるようにして、学生生活の生活サイクルへと戻っていくことを迫られるのですから、大学祭が閉幕する時の寂しさは一層大きいものとなります。このような「悲しみ」から「立ち直って行く」という目的を果たすために、テーマソングという方法論をとるのが『グリーフ・ワーク』です。

論文構成

 テーマソングは会場内で使用される予定で、何度も繰り返し耳に入ってきますが、筆者個人の企てとして、このような機会を得て、他人の記憶資源を侵犯できるような創作物を作りたいと考えていました。つまり、忘れにくい音楽です。そこで、メロディを前面に出しつつ、ひとつのメロディのモチーフを基に、楽器・リズム・調性の長短を微妙に変更しながらモチーフを繰り返していく構成に仕上げました。

 具体的に見ていくと、曲は次の6ブロックに分かれます。

 1ブロック…弦楽四重奏長調
 2ブロック…ピアノ(長調
 3ブロック…弦楽四重奏短調
 4ブロック…矩形波短調・変調)
 5ブロック…ピアノ(長調・変調)
 6ブロック…3ブロックに同じ

まとめ

 今までの大学祭に対する気持ちを振り返りながら楽曲のコンセプトを組み立てて、それに沿って楽曲を制作するのはレポートを書いている時のようでした。また、他応募者がどのような構想を持って制作に取り組んだのか、とても気になるところです。曲の情報を元に検索してもアーティストに関して何もわからなかったので、気になりますね。もし読んでいたら、こういうの書いてくれるといいな。

*1:これはキャンパス内においても同様

*2:他の応募曲3曲はすべて英語タイトルでした