最近またドラえもん熱が再燃してて新・日本誕生は観に行こうと思ってます。
そこでみどころを2点簡単に。
あらすじ
のび太たちが古代日本に家出する話
2016年の町
一つは、のび太たちに家出を決意させる一因となった町の様子だと思います。原作ではあらゆる土地が所有されて遊び場、行き所を失う様子が描かれています。1989年の映画ではそれに加えて都市としての町の暗い空気や、発展しているけれども何故か寂しい雰囲気が出ていて、バブル期に作られた作品としては奇特に感じられます。新宿にスタジオを持っていた作者は映画の世界観について注文をつけることが多かったという逸話から、あの画面はけして作者の意を離れたものではなかったのだろうなぁと察します。
それから20年以上経った2016年の彼らの町は、なお暗い町として描かれるのだろうか?時代性を戦略的に忘却して日本誕生そのものをリメイクするのか?しかし、今作のキャッチコピーのひとつ、「パパは、20世紀の「日本誕生」を見た。僕は、21世紀の「日本誕生」を見る。」では、時代が明示的に区別されていることから、やはり2016年の作品として描き直す可能性が無いこともないように思えるのです。
ちなみにこのキャッチコピーは2000年『太陽王伝説』以降付けられるようになり、時代性を強調したものとしては「21世紀最初の映画ドラえもん」(2001年『翼の勇者たち』)、「ありがとう! 映画30周年! 」(2010年『人魚大海戦』)がありますが、これは作品外からの視点ですね。
ギガゾンビのキャラクター
もう一つはギガゾンビのキャラクターの描き方についてです。彼の正体は物語のクライマックスで明らかになりますが、原作・1989年版映画ともに古代人を襲うのは本人ではなく彼の下僕の土偶型モンスターです。したがって、本人が直接ドラえもんたちや古代人にアクションを起こす場面はほとんど無く、最後の情けない一面が垣間見えるシーンを除いてギガゾンビのキャラクターはあまり掘り下げられていたと言えるものではありません。今作でギガゾンビを描き直すにあたってギガゾンビのキャラクターがどれくらい掘り下げられるのか?そこが気になっているところです。
ちなみに原作ではゲストキャラの古代人・ククルのキャラクター描写に少しページが割かれていました。彼一人が行動するシーンも多いですし、もはや説明不要みたいなところありますね、彼。
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